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2017/05/20

「我々の日常の九十パーセントは、頭の中で起こっている」

おはようございます。小出遥子です。

20代の頃の私は森見登美彦さんの小説が大好きで、
新刊が出るたびに夢中になって読んでいたのですが、
(いまでも好きです。映画版『夜は短し歩けよ乙女』観たいなあ)
森見さんの『太陽の塔』(新潮文庫)という小説の中に
かなり印象深いセリフがあって。

「我々の日常の九十パーセントは、頭の中で起こっている」

これは妄想ばかりして行動の伴わない「腐れ大学生」としての
自分たちを、主人公の仲間が揶揄して吐いたセリフなのですが、
いやあ、名言以外のなにものでもないですよね(笑)。

私、このセリフを、よく、自分の身に引きつけて思い出すんです。
「私の日常の90パーセントは、頭の中で起こっているなあ……」って。

いや、もしかしたら90パーセントどころの話じゃないかもしれません。
100パーセント……とまでは言わないにしろ、
私の日常の「ほぼ100パーセント」は
頭の中の妄想で構成されているのかもしれない。

妄想というのは、いまここに完全にくつろいでいるときには発動しません。
妄想というのは思考の産物だからです。

人間は、いまここにあるもののことを「考える」ことはできません。
いまここにあるもののことは「感じる」しかないんです。
逆に言えば、人間がなにかを考えているその中身は、
かならず、いまここにないもののことなんです。
いまここにくつろいでいないから、思考が、
もっと言えば妄想が生まれるわけです。

まあ、妄想が悪いわけではないんですけれどね。
ファンタジーの世界で遊ぶのも、またたのしいことですものね。
しかもこれは人間だけにゆるされた、ある意味「高尚な」遊びですしね……。

でも、一度でも、いまここにあるすべての豊かさを全身全霊で感じることができたら、
妄想の世界にばかり身を浸しているのももったいないな、と。
そこから、直に「ほんとうの世界」を生きる覚悟が定まっていくかもしれない。

「ほんとうの世界」を見たいのに、
どうしても妄想が止まらなくて苦しいときは、
「私の日常のほぼ100パーセントは、頭の中で起こっている」とつぶやいてみると、
妄想との間に距離が生まれて、ほんの少しだけ、
世界が違ったように見えますよ。オススメです(笑)。

本日、最新刊『青虫は一度溶けて蝶になる: 私・世界・人生のパラダイムシフト』(藤田一照さん、桜井肖典さんとの共著/春秋社刊)が発売されます。
私が初回から毎回書いている「仏教的人生学科一照研究室」の講義録をベースにした本です。
書店で見かけられましたら、どうぞお手にとってごらんください!

よい一日をお過ごしください◎

 

≪今後の小出遥子のスケジュール≫

【5/23(火)】「おぢやんしょの仏教話」出演
新潟県小千谷市の浄土真宗本願寺派寺院・極楽寺さんにて行われる
「おぢやんしょの仏教話」というイベントに、Temple主宰・小出遥子が出演します。
大原三千院門主・堀澤祖門さん、極楽寺住職・麻田弘潤さんと3人で
「なにものでもないいのち」をテーマにお話をします。
その後、ミニTempleも開催いたします。
お近くの方もそうでない方も、ぜひぜひ、ふるってご参加くださいませ!

≪今後のTempleのスケジュール≫

【5/28(日)】Temple@瑞因寺
(名古屋でのTemple初開催!)

【5/30(火)】Temple@神谷町光明寺(ゲスト:プラユキ・ナラテボーさん) ※満員御礼

【6/5(月)】Temple@髙願寺
(ゲスト:小笠原和葉さん)

【7/23(日)】Temple School 特別イベント第2弾
(ゲスト:横田南嶺さん、藤田一照さん)