Column
Words
2016/09/24

【親鸞】善悪の二つ惣じて存知せざるなり。

イラスト:nihhi

今回は親鸞聖人のことばを選びました。文字通り、「私には善や悪ということはまったくわからない」という意味になります。

仏さまの前では、どのような人間も、みな一様に「なにものでもないもの」です。すべてが「なにものでもないもの」であるならば、そこに「善」という概念も「悪」という概念も生まれようがありません。

「善」も「悪」も、「勝ち」も「負け」も、「美しい」も「醜い」も、「正しい」も「間違い」も……すべて、人間の分別心が生み出したものです。絶対的なものではありません。

それならば、それらの判断に汲々とするよりも、もう、すべてを仏さまにお任せしてしまって、いまここにあらわれるすべてとケンカせず、ただ、穏やかに生きていきたいな。……なんてことを思います。

「南無阿弥陀仏」を「阿弥陀さまにおまかせします」と訳した人の気持ちが、とてもよくわかるような気がする、今日この頃です。

「ほぼ週刊彼岸寺門前だより」2016年9月18日発行号より転載)