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2017/02/22

2017.2.12 Temple@円覚寺レポート&アンケート

先日、北鎌倉の円覚寺にて、対話の集い「Temple」が開催されました。今回は、一般参加者35名に、円覚寺の雲水さん8名、和尚さん3名が加わってくださいました。当日の様子をレポートいたします。

【タイムスケジュール】

◆12:30~13:00 受付
◆13:00~13:10 ごあいさつ&お経
◆13:10~13:20 テーマとなるダイアローグの振り返り
◆13:20~14:05 ダイアローグ1
◆14:05~14:15 休憩
◆14:15~15:00 ダイアローグ2

12時半受付開始。円覚寺の総門から会場となる信徒会館までは若干距離があるのですが、境内のそこここに、雲水さんほか、有志のボランティアさんが立ち、参加者の方々が迷わないよう、丁寧に道案内をしてくださいました。

13時、イベント開始です。最初にTemple主宰・小出遥子のご挨拶。Templeは2015年1月から始まったイベントであること。これまでは、浄土真宗本願寺派の神谷町光明寺で、定期的に開催してきたこと。今後は光明寺に限らず、ご縁のあるお寺でどんどん開催していきたいこと。その皮切りに、憧れの円覚寺でTempleを開くご縁をいただけて、大変感激していること。そして、Templeは参加者同士の「いのち」の対話をメインとしたイベントであること。Templeにおいては、社会で背負っている肩書きや役割のことは一度横に置いておいて、ただの「なにものでもないいのち」としてくつろいでいただきたいことなど、お話しさせていただきました。

その後、この空間を見守ってくださる仏さまへのご挨拶という意味も込め、円覚寺の横田南嶺老師のご先導によって、「延命十句観音経」と「延命十句観音和讃」を会場のみなさんで唱和しました。

続いて、今回のTempleのテーマとなるダイアローグ、Temple Web掲載の『横田南嶺さんとの対話/「ひとつのいのち」と「多様性としてのいのち」』という記事の内容について、横田老師ご本人と振り返ろうかと思ったのですが……。なんと、横田老師、開口一番「過去を振り返っても仕方がないでしょう。いまのお話をしましょうよ」と(笑)。これには参加者のみなさん大笑い。司会の小出は大慌てでしたが、おかげで、会場の空気が一気にやわらかいものに変わりました。さすが、横田老師です。

Templeのメインテーマは「いのち」です。しかし、「いのち」そのものになろうと努力するのではなく、いまここにおいて、すでに「いのち」そのものがあらわれていることに気づいていくことが肝要である。そのことを、横田老師はこんなたとえ話を使って、大変やわらかくお伝えくださいました。

「ある男が、いつか宇宙に行ってみたいなあ、と思いながら、自宅でおせんべいをかじっていた。そんな彼が、あるとき一念発起して、ほんとうに宇宙飛行士になった。そうして、いざ宇宙から地球を眺めてみたとき、彼は気づいた。あのおせんべいも、それをかじっていた自分も、間違いなく、壮大な宇宙のはたらきのうちにあったのだ、と……。彼はふたたび地球に戻ってきた。そして以前と同じように自宅でおせんべいをかじった。しかし、そのときのおせんべいの味わいは、いま自分のいる場所の外に宇宙を求めていたときとは、まったく違ったものとなっていた。“いのち”というのも、これと同じようなものではないでしょうかね。“いのち”以外のものはないんですよ。ここにこうして集っているあなた方が、そっくりそのまま、なんの努力もなしに“いのち”そのものなんですよ」

横田老師のダイナミックなお説法のあとは、いよいよTempleのメインコンテンツ、参加者同士の対話の時間です。まずは座布団を持って立ち上がっていただき、できるだけ初対面の方々と3~4人のグループを作っていただきます。

無事グループができたところで、小出からダイアローグの簡単な説明をさせていただき、いよいよスタートです。前半は、みなさんに事前にお読みいただいた『横田南嶺さんとの対話/「ひとつのいのち」と「多様性としてのいのち」』という記事や、さきほどの横田老師の「おせんべいと宇宙」のお説法(という風にまとめて良いのでしょうか……)から感じたことをシェアしていたただき、それを皮切りとして対話を始めていただきました。

各グループ、意外にも(?)スタート直後から、静かに、熱く、真剣に盛り上がっています。でも、会場の空気はあくまでも和やか。みなさんの笑顔に、主催者もほっと一安心です。

安心、安全な場づくりのため、横田老師と小出が、各グループを少しずつ回らせていただきます。じっと話に耳を傾けてみたり、ときには対話に混じってみたり、笑いあってみたり、ただただ無言でうなずきあってみたり……。

そうこうしているうちにあっという間に45分が過ぎ、前半のダイアローグが終了。10分間の休憩をはさみ、さきほどとは違った方々とグループを組んでいただき、後半のダイアローグスタートです。後半のダイアローグのテーマは、ずばり「いのち」。ご縁にしたがってあらわれてくる対話を、ざっくばらんにおたのしみいただきます。と、ここで、雲水さんたちから、参加者ひとりひとりに、あたたかいお茶と、円覚寺の焼き印入りの瓦せんべいのご供養が! それらをおいしくいただきながら、前半と同様、各グループ、和やかに対話が進んでいきました。

「ゴーーーン」と荘厳な鉦の音が鳴り響き、後半のダイアローグも終了です。そこここで「えっ、もう終わり!?」「まだまだ話し足りませんね!」といった声が聞こえてきました。主催者として印象的だったのは、ダイアローグの前と後とで、みなさんの表情がまったく変わってしまっていたこと。例外なくリラックスして、とてもやさしく、明るいお顔になられていたのです。正解も、結論も、納得感も求めず、ただただ「なにものでもない自分」として「なにものでもないいのち」の対話をたのしむ時間を過ごされたことによって、おひとりおひとりの本来の輝きが、うつくしくにじみ出てきたのでしょうね。

クロージングトークでは、横田老師より「結論から言いますと……Templeって、いいものですね。私なんかは、普段、独演会のようなことばかりしておりますものですから、このような機会はとても新鮮でした。大変勉強になりました」とのご感想をいただきました。「参加者のみなさんのお話やお姿から、たくさんのことを学ばせていただきました」とのこと。この横田老師のおことばをもって、今回のTemple@円覚寺は無事終了となりました。主催者である私も多くのことを学ばせていただきました。ご参加くださったみなさん、ご協力くださったみなさん、応援してくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。

ちなみに、次回Templeは、神谷町光明寺にて、3月16日(木)の夜に行われます。ゲストは慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司さん。詳しくはこちらのページをご覧ください。
http://temple-web.net/event/45/

最後に、今回のTemple@円覚寺にご参加くださった方々によるアンケート結果を掲載します。参加者の「生の声」満載です! ぜひお読みくださいませ◎

ダイアローグではどのような話題が出ましたか?

■この世界の根本の成り立ち、しくみを知りたいけれどわからない。でも、わからなくてOKと思うようになったこと。

■死をどのように受けいれるか、など。

■目に見えないものの尊さ。一息つくこと。ものの捉え方など。

■仏教の宗派の違い。修行のこと。「わからない」ことの安心感など。

■修行は人の中でなければできないということ。

■脳死のお話。

■「あるがまま」について。法要の意味ついて。いのちと死について。

■今について。所有について。

■荘子の「胡蝶の夢」の話。意識の話。

■生死に区別はあるのか? 生きることについて。

■「命日」は、なぜ「命日」というのか?

■自分を解放することについて。

■生きることの難しさ、苦しさ、悩みについて。

■死んだあとどうなるのか、ということ。

■大きないのちとのつながりについて。

ご意見、ご感想など

■普段なかなか語れない話を、角度を変えて語り合うことができました。このような話題は語る場が限られますので、とても貴重な機会であると感じた次第です。どうもありがとうございました。 (40代/男性/初参加)

■他人を見るのではなく自分を見る。他人を見るから自他の足りないところが気になってしまう。自分がどうか、どうするかという視点ができれば、世の中平和になるかなあ。……といったようなことを思いました。考えていた以上にたのしかったです。良い時間をありがとうございました。 (50代/男性/初参加)

■興味、関心、考えていることが似ている方々に出会い、お話しができて、とても楽しかったです。ありがとうございました。 (30代/女性/以前参加)

■本日はこのような機会をいただき、ありがとうございました。最初の、延命十句観音和讃の一行目を読み上げられた瞬間、こみ上げるものがあり、涙があふれました。有意義な時間となりました。ありがとうございます。 (40代/女性/初参加)

■Templeというのは、お寺本来の場の在り方を示す、すばらしい「発明」ですね。今回、円覚寺に場を移しての開催で、あらためてそう思いました。 (40代/男性/以前参加)

■自分の意識の問題として、Templeという場が、日常とひとつづきに感じられるようになったらもっといいと思いました。 (50代/女性/初参加)

■他愛のない話の合間に、心に響く一言がありました。オープンな心でお話ができました。ご縁がありましたら、また、ぜひ。 (30代/女性/以前参加)

■楽しく、満ち足りたひとときを過ごせました。ありがとうございます。 (50代/男性/初参加)

■たのしい時間でした。皆様のお話をゆっくりうかがえてよかったです。ステキな企画、たくさんの方に広まりますように。 (60代以上/女性/初参加)

■多様な意見の交換ができ、飾ることなく率直に話ができたことに解放感を覚えた。 (60代以上/男性/以前参加)

■普段お話しすることのできない方と話せて、気づきがありました。ありがとうございました。 (30代/女性/初参加)

■偶然このイベントのことを知りましたが、同じグループの方から、臨死体験のことなど、貴重なお話が聞くことができてよかったです。ありがとうございました。 (60代以上/男性/初参加)

■いろんな方とお話しができて(それも「いのち」について!)とても刺激的でたのしかったです。それぞれの人生の中で感じていることをシェアできてよかったです。 (50代/女性/初参加)

■アットホームな感じが親しみやすかったです。参加前は「いったいなにをするのかな」と少しどきどきしていましたが、いざその場に身をおいてみると、とてもゆったりとした気持ちで過ごすことができました。お世話になりました。ありがとうございました。 (40代/女性/初参加)

■偶然に出会った方とグループを組むのはおもしろい。このような場は、ほかにはないのではないか。皆いい人で、とても楽しく話すことができました。 (40代/男性/初参加)

■いのち全般の話ができ、とても充実した時間となりました。また参加したいです。ありがとうございました。 (50代/女性/以前参加)

■ダイアローグという行為そのものが<いのち>のあらわれなのでしょうね。次へとつなぐことの大切さと美しさ、そこにある「はたらき」……。いろいろなことを感じました。ありがとうございました。 (50代/男性/以前参加)

■Templeは2回目でした。それもあって、前回よりも話しやすかったです。そして場の雰囲気も柔らかく、 なんだかスッと清々しい気持ちもして、とても居心地が良かったです。若い修行僧の方の丁寧な対応や傾聴の姿、作法の綺麗さに感動しました。それから会場までの案内もとても細かくて優しくて、1つ1つを大切に扱うということをされていて、これまた感動でした。一緒にお話しすることができて嬉しかったです。毎回終わってみると、なんだかうまく会話ができなかったな、とか、ちゃんと伝えられたかな、とか、あの時こういえばよかったかな……とか、いろいろ考えるのですが、Templeにはきっと言葉以上のものがあるように思います。それを感じられるだけでも幸せだな、と思います。今回も、小出さんから発信されるものを受けて、 みなさんがくつろぎながらも大切なことを確認しあえる、そんな場だったなと思います。そんな場を作ってくだり、本当に感謝しております。 (30代/女性/以前参加)

■グループの中で、ご自身のつらい経験をお話しくださった方がいらして、世の中にはいろいろな人生があるのだとあらためて思いました。自分自身の想いとしては、体験や経験にもとづいた言葉にこそ真実があるのだと考えます。そのことを再認識しています。 (50代/女性/初参加)

■少人数の対話では、話が深まり、多くの気づきをいただきました。生きるのがつらいと思う日々を生き続けていました。参加して、肩の力が抜けて、「つらさ」「苦しさ」に対する見方、捉え方が、少し変わったように思います。対話によって視野が広がるのでしょうね。今日はどうもありがとうございました。 (60代以上/女性/初参加)

■それぞれが持つ考えを、素直にお話しできたと思う。スタート時はどのようになるか不安でしたが、すぐに緊張がほどけました。お互いに意見を述べ合える、不思議な会でした。 (50代/男性/初参加)

■参加でき、とてもよかったです。ありがとうございました。小さくなっていた自分の枠が、少し広がりました。これからも広げていきたいと思います。対話っていいですね。 (40代/女性/初参加)